Excel関数入門:ABS関数の使い方

正負の符号に関係なく「数値の絶対値」を求めたいときに便利なのが ABS関数 です。
計算結果を正の値として扱いたいときや、差分の大きさだけを見たいときに役立ちます。

この記事では、ABS関数の基本的な使い方から、実務での活用例、IF関数などとの組み合わせ方までをわかりやすく紹介します。


ABS関数とは?

ABS関数は、数値の絶対値(Absolute Value)を返す関数です。
つまり、正の数はそのまま、負の数は正の値として返します。

書式

=ABS(数値)

引数の意味

  • 数値:絶対値を求めたい数値または計算式、セル参照など

基本的な使い方

例 1:数値の絶対値を求める

=ABS(-10) → 10
=ABS(10)  → 10

例 2:セル参照を使う

=ABS(A2)

→ A2が-20であれば「20」を返す

例 3:計算結果に対して使用

=ABS(B2 - C2)

→ B2とC2の差分の「絶対値」(誤差や変動幅の評価に便利)


よくある活用例

1. 実際の変動幅(増減の大小)だけを見たいとき

=ABS(今年 - 昨年)

→ 増減の方向ではなく「どれだけ変わったか」に注目

2. 距離の計算(差を常に正の値に)

=ABS(出発地 - 到着地)

3. エラー判定や閾値超えの検出(IF関数と併用)

=IF(ABS(D2-E2)>5, "要確認", "OK")

→ 差分が5以上あれば「要確認」と表示


注意点

  • 引数が数値以外(文字列など)の場合、エラーになる可能性があります
  • ABSは「正負の判断を無視して大きさのみ見る」ことに特化した関数です

関連関数との比較

関数用途
ABS絶対値を返す
ROUND四捨五入して丸める
INT整数値(小数切り捨て)を返す
SIGN正なら1、負なら-1を返す

まとめ

ABS関数は、数値の大きさだけを扱いたいときに非常に便利な関数です。
差の評価、誤差の測定、距離や増減の判断など、多くの場面で活用できます。