複数の条件分岐を簡潔に書きたいときに便利なのが IFS関数 です。
従来のIF関数ではネスト（入れ子）を繰り返す必要がありましたが、IFS関数なら読みやすくスマートに条件分岐が可能です。
この記事では、IFS関数の基本的な使い方から、IF関数との違い、実務での活用例までをわかりやすく紹介します。
IFS関数とは？
IFS関数は、複数の条件を順に評価し、最初に TRUE になった条件に対応する値を返す関数です。
書式
=IFS(条件1, 値1, 条件2, 値2, ..., 条件n, 値n)引数の意味
- 条件1, 条件2, …：評価したい条件（順にチェック）
- 値1, 値2, …：条件が TRUE のときに返す値
基本的な使い方
例：得点に応じて評価を表示
=IFS(A2>=90, "優秀", A2>=70, "合格", A2<70, "不合格")→ 点数が90点以上なら「優秀」、70点以上なら「合格」、それ未満は「不合格」
例：売上ランク分け
=IFS(B2>=1000000, "Sランク", B2>=500000, "Aランク", B2>=100000, "Bランク", B2<100000, "Cランク")よくある活用例
1. 評価区分・段階表示
→ 点数や数値の範囲によって等級や評価を表示
2. 条件に応じたラベル出力（例：商品在庫）
=IFS(C2>100, "在庫多め", C2>0, "在庫少なめ", C2=0, "在庫なし")3. 文字や記号の分類
→ 入力された記号や文字によって分類名を出力
IF関数との違い
| 関数 | 特徴 |
|---|---|
| IF | 単一条件での分岐（ネストが必要） |
| IFS | 複数条件をすっきり書ける |
IFの入れ子との比較
=IF(A2>=90,"優秀",IF(A2>=70,"合格","不合格"))↓ IFSで簡潔に
=IFS(A2>=90,"優秀", A2>=70,"合格", A2<70,"不合格")注意点
- 条件が TRUE になるまで順に評価 される（上から順に評価）
- すべての条件が FALSE の場合は #N/A エラー になる →
TRUE, "その他"を最後に入れると安心
=IFS(A2>=90,"優秀", A2>=70,"合格", TRUE, "不合格")まとめ
IFS関数は、複数条件に応じた分岐をスマートに記述できる非常に便利な関数です。
従来のIF関数よりも見やすく保守性も高いため、複雑な条件分岐が必要な場面で大活躍します。IF関数からのステップアップとして、ぜひ覚えておきましょう！
