計算結果がエラーになる可能性がある場合、そのエラーを検出して別の処理をしたいときに便利なのが ISERROR関数 です。
エラーの有無をチェックし、IF関数などと組み合わせることで、柔軟なエラー処理が可能になります。
この記事では、ISERROR関数の基本的な使い方から、IF関数との連携、実務での活用例までわかりやすく紹介します。
ISERROR関数とは？
ISERROR関数は、指定した式やセルが何らかのエラーであればTRUEを返し、そうでなければFALSEを返す関数です。
書式
=ISERROR(値)引数の意味
- 値：エラーの有無を判定したい数式やセル参照
基本的な使い方
例：数式の結果がエラーかを判定
=ISERROR(A1/B1)→ B1が0のとき #DIV/0! になり、結果は TRUE
よくある活用例
1. エラーのあるセルを別の値に置き換える（IF関数と組み合わせ）
=IF(ISERROR(A1/B1), "計算不可", A1/B1)→ エラー時は「計算不可」と表示、そうでなければ通常の計算結果を表示
2. エラー行だけを抽出・色付け（条件付き書式）
条件式：
=ISERROR(A2)→ A列にエラーがある行を強調表示できる
3. VLOOKUPやMATCHなどの検索エラー対策
=IF(ISERROR(VLOOKUP("山田", A2:B10, 2, FALSE)), "該当なし", VLOOKUP(...))対応するエラーの種類
ISERROR関数は、以下のようなエラーすべてに対応します：
#DIV/0!（0で割った）#N/A（該当なし）#VALUE!（型不一致）#REF!（無効な参照）#NAME?（関数名や名前が不正）#NUM!（数値の異常）#NULL!（交差しない範囲指定）
ISERROR vs. IFERROR の違い
| 関数 | 特徴 |
|---|---|
| ISERROR | エラーかどうかを判定（TRUE/FALSEを返す） |
| IFERROR | エラー時に別の値を返す（判定＋処理が一体） |
注意点
#N/Aのみを除外したい場合はISNA関数を使うと便利- IF関数とセットで使うのが基本的なパターン
まとめ
ISERROR関数は、エラーを事前に検出し、適切な処理に振り分けたいときに非常に有効です。
IF関数やVLOOKUP、MATCHなどと組み合わせて、より安全でわかりやすい表計算を実現できます。
